「キャリアコンサルタントの資格、気になるけど…なんだか難しそう」
キャリアアップを考えていると、そんな風に感じることがあるかもしれませんね。働きながらの挑戦だからこそ、試験のことや合格した後のこと、いろいろと気になってしまうのは自然なことです。
この記事では、そんなあなたの気になるポイントを、一つひとつ丁寧にひも解いていきます。試験のことから、合格後の働き方やお給料のことまで。もやもやした気持ちをスッキリさせて、あなたらしい合格への道筋を一緒に見つけていきませんか?
キャリアコンサルタント資格とは?
「自分のキャリア、このままでいいのだろうか」「もっと人の役に立つ仕事がしたい」。キャリアアップを目指す中で、そんな思いを抱いたことはありませんか?その有力な選択肢の一つが「キャリアコンサルタント」です。まずは、この資格がどのようなもので、なぜ今注目されているのか、基本から見ていきましょう。
国家資格としての位置づけと役割
キャリアコンサルタントは、2016年4月に職業能力開発促進法で国家資格として定められた、キャリア支援の専門家です。単なる民間資格とは異なり、国がその専門性を認めた信頼性の高い資格と言えます。
主な役割は、相談者が自分らしい生き方や働き方を選択し、主体的にキャリアを形成していけるようにサポートすることです。具体的には、以下のような支援を行います。
- 自己理解の促進: 興味・価値観・能力などを明確にするための対話やツールを用いた支援
- 仕事理解の促進: 職業、業界、企業に関する情報提供や、労働市場の動向解説
- キャリアプランの作成支援: 将来の目標設定と、そこに至るまでの具体的な計画立案のサポート
- 意思決定支援: 転職、就職、異動、学習など、キャリアの節目における選択のサポート
- 能力開発の支援: スキルアップや資格取得に関する助言
キャリアコンサルタントは「名称独占資格」であり、資格を持たない人が「キャリアコンサルタント」と名乗ることはできません。このことからも、国が定めた専門的な知識と技能を持つ者だけが担える、責任ある役割であることがわかります。
受験資格と試験制度の概要
キャリアコンサルタント国家試験を受験するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
試験は「学科試験」と「実技試験」の2つで構成されており、両方に合格することで資格取得となります。
試験は、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)と、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(キャリ協)の2つの機関が実施しており、受験生はいずれかの機関を選んで受験します。学科試験は共通ですが、実技試験は機関ごとに評価の観点や傾向が若干異なると言われています。
なぜ今注目されているのか(社会的ニーズとの関係)
キャリアコンサルタントの資格が今、なぜこれほど注目を集めているのでしょうか。その背景には、私たちの働き方を取り巻く大きな社会の変化があります。
- 働き方の多様化: 終身雇用制度が揺らぎ、転職や副業、フリーランスなど、多様な働き方が当たり前になりました。個人がキャリアを自律的に選択・設計する必要性が高まっています。
- 人生100年時代: 長寿化に伴い、働く期間も長くなっています。定年後のセカンドキャリアや、学び直し(リカレント教育)など、生涯にわたるキャリア開発が重要なテーマとなっています。
- 企業のニーズ: 従業員のキャリア自律を支援し、エンゲージメントや生産性を高める「セルフ・キャリアドック制度」の導入が企業に努力義務化されました。企業内で従業員のキャリア相談に乗る専門家として、キャリアコンサルタントの需要が高まっています。
- 労働市場の変化: AIやグローバル化の進展により、求められるスキルは常に変化しています。変化に対応し、自身の市場価値を高め続けるためのキャリア相談ニーズは増すばかりです。

これらの社会的背景から、個人にとっても企業にとっても、キャリアの専門家であるキャリアコンサルタントの存在価値はますます高まっていると言えそうですね。
キャリアコンサルタント試験の難易度は上がるのか?
資格取得を目指す上で最も気になるのが「試験の難易度」でしょう。「最近、難しくなっているのでは?」という声も聞かれますが、実際のところはどうなのでしょうか。最新のデータや他の資格との比較から、その実態に迫ります。
最新の合格率データから見る難易度
キャリアコンサルタント試験の合格率は、学科試験と実技試験で大きく異なります。最新の試験結果(第29回/2025年7月実施)を見てみましょう。
試験機関 | 学科試験 合格率 | 実技試験 合格率 |
キャリアコンサルティング協議会 | 72.4% | 64.2% |
日本キャリア開発協会(JCDA) | 73.6% | 64.5% |
学科試験の合格率は60%~70%台、実技試験の合格率は60%台前半で推移しています。両方に一度で合格する「同時合格率」は、おおよそ50%前後となることが多いです。
この数字を見て、どう感じますか?「意外と高い」と感じる方もいれば、「半分は落ちるのか」と感じる方もいるでしょう。
過去のデータを見ると、学科試験は回によって合格率が大きく変動する傾向があります。例えば、60%を超える回もあれば、40%台に落ち込む回もあり、一概に「難易度が上がり続けている」とは言えません。しかし、出題範囲の広さや、新しい理論・法改正に関する問題が増えていることから、付け焼き刃の知識では通用しなくなっているのは確かです。
一方で、実技試験の合格率は比較的安定して60%前後を維持しています。しかし、これは単に易しいという意味ではありません。養成講座で体系的に面談スキルを学び、しっかりと練習を積んだ人が受験している結果と捉えるべきでしょう。

合格率の数字だけを見て「簡単」と判断するのは早計です。特に学科試験は難化の波があり、計画的な学習が不可欠と言えますね。
他の資格との比較(難易度ランキングとの比較)
キャリアコンサルタントの難易度を、他の国家資格と比較してみましょう。資格の性質が異なるため単純比較は難しいですが、一般的に以下のような位置づけで語られることが多いです。
難易度(高) | 司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士 など |
(このあたり) | キャリアコンサルタント、行政書士、宅地建物取引士 など |
難易度(中) | FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士2級、日商簿記2級 など |
難易度(低) | ITパスポート、秘書検定2級 など |
社労士や中小企業診断士といった、合格率が数%~十数%の超難関資格と比べれば、キャリアコンサルタントの難易度は低いと言えます。しかし、宅建士や行政書士のように、しっかりとした試験対策がなければ合格できないレベルの資格であることは間違いありません。
特に、知識を問う学科試験だけでなく、実践的なスキルを評価される実技試験がある点が、他の多くの資格とは異なる特徴です。単なる暗記だけでは合格できず、対人支援のスキルを体得する必要があるため、独自の難しさがあると言えるでしょう。
合格を難しく感じる要因(筆記・論述・実技試験の特徴)
なぜ、合格率が50%前後にもかかわらず、多くの受験生が「難しい」と感じるのでしょうか。その要因を試験科目ごとに分解してみましょう。
1. 学科試験:とにかく範囲が広い
最大の壁は、その出題範囲の広さです。
これらの広範な分野から、満遍なく出題されます。特に、キャリア理論家の人名と理論の内容を正確に覚えることに苦労する受験生が多くいます。また、最新の統計データや法改正も出題対象となるため、常に情報をアップデートしておく必要があります。
2. 論述試験:解答の「型」が掴みづらい
論述試験では、相談記録(逐語録)を読み、相談者の問題点を指摘し、今後の支援方針を記述します。ここで多くの受験生がつまずくのが、「何を」「どの順番で」「どのように」書けば評価されるのかが分かりにくい点です。
単に感想文を書くのではなく、
3. 実技(ロールプレイ)試験:「わかっている」と「できる」は違う
実技試験は、キャリアコンサルタントとしての「傾聴」や「質問」のスキルが問われる、最大の関門です。頭では「相手の話をよく聴くことが大事」とわかっていても、15分という短い時間の中で、緊張しながら実践するのは非常に難しいものです。
よくある失敗例として、
- 評価的な態度: 相談者の考えを「それは甘いよ」などと評価・判断してしまう。
- 性急なアドバイス: 相談者が十分に話せていないうちに、解決策を提示してしまう。
- オウム返しに終始: 共感のつもりで相手の言葉を繰り返すだけになり、話が深まらない。
- 詰問口調: 興味本位で矢継ぎ早に質問を重ねてしまう。
これらの「やってはいけないこと」を避け、相談者が自ら気づき、考えていけるような関わり方ができているかが評価のポイントになります。
試験勉強でつまずきやすいポイントと対策
試験の難しさを理解したところで、次は具体的な対策です。多くの受験生がつまずきやすいポイントと、それを乗り越えるための攻略法を解説します。
学科試験の出題範囲と攻略法
広大な学科試験の範囲を効率的に学習するには、メリハリが重要です。
- 頻出分野を重点的に学習する
キャリアコンサルティングの理論、カウンセリング理論、労働市場の知識は、ほぼ毎回多くの問題が出題される最重要分野です。特に、キャリア理論家の名前と理論の組み合わせは確実に得点源にしたいところ。まずはこの3分野を完璧に仕上げましょう。 - 過去問を制する者が試験を制す
最も効果的な学習法は、過去問題集を繰り返し解くことです。最低でも過去3~5年分は解きましょう。間違えた問題は、なぜ間違えたのかを解説を読んで完全に理解することが重要です。選択肢一つひとつについて、「なぜこれが正解で、他は不正解なのか」を説明できるレベルを目指してください。 - スキマ時間を活用する
働きながら学習時間を確保するのは大変です。通勤中の電車内や昼休みなど、スキマ時間を活用して学習できるツール(一問一答アプリ、単語帳など)を準備しましょう。1日10分でも、毎日続ければ大きな力になります。 - 法改正や最新統計は直前期にチェック
労働関連法規や白書などの最新情報は、試験直前期にまとめて確認するのが効率的です。厚生労働省のウェブサイトや、資格予備校が提供する法改正セミナーなどを活用しましょう。
論述試験で評価されるポイント
論述試験は、採点者(キャリアコンサルタントの専門家)に「この人は相談者の問題を的確に把握し、適切な支援ができる」と伝えるための答案作成が求められます。評価される答案には、共通のポイントがあります。
- CC(キャリアコンサルタント)視点での問題把握
相談者の訴え(主訴)の裏にある、本当の問題は何かを見抜けているか。例えば、「仕事がつまらない」という主訴の裏に、「自分の強みが活かせていない」「キャリアプランが描けていない」といった本質的な問題があることを見立てる力が必要です。 - 根拠の明示
「相談者は〇〇と考えている」と書くなら、必ず逐語録のどの部分からそう判断したのかを引用・明記します。「(逐語録3)の発言から、~という気持ちがうかがえる」のように、客観的な根拠を示すことが説得力を高めます。 - 一貫性のある支援方針
見立てた問題点と、今後の支援方針(目標や方策)に一貫性があることが重要です。問題点が「自己理解不足」なら、支援方針は「ジョブ・カードなどを活用した自己理解の促進」といったように、論理的なつながりを意識して記述しましょう。 - 解答のフレームワークを持つ
「①相談者の主訴の要約 → ②CCから見た相談者の問題点(根拠と共に) → ③今後の目標設定 → ④具体的な支援方策」といった、自分なりの解答フレームワーク(型)を事前に用意しておくと、時間内に質の高い答案を書き上げる助けになります。
ロールプレイ(実技)でのよくある失敗例と改善策
ロールプレイ(ロープレ)は、練習量がものを言います。養成講座の仲間や勉強会などで、繰り返し練習を重ねることが合格への一番の近道です。ここでは、練習の際に意識すべきポイントを解説します。
よくある失敗例 | 改善策・意識すべきこと |
一方的に質問を続けてしまう(詰問のようになる) | 質問の前に、まずは相手の言葉を受け止める。「〇〇と感じていらっしゃるのですね」と、一言受容・共感の言葉を挟むだけで、相談者は安心して話せるようになります。 |
相談者の感情に触れず、事実確認ばかりする | 相談者が発した言葉の背景にある感情を問いかける。「その時、どんなお気持ちでしたか?」と感情に焦点を当てることで、関係性が深まり、自己理解が促進されます。 |
沈黙が怖くて、すぐに言葉を挟んでしまう | 沈黙を恐れないこと。相談者にとって沈黙は、自分の内面と向き合い、考えを整理するための大切な時間です。相談者のペースを尊重し、待つ姿勢を意識しましょう。 |
解決策を急いで提案してしまう | **問題の共有(Problem Sharing)**を徹底する。CCが「これが問題だ」と決めつけるのではなく、「今、〇〇という点について、もう少し一緒に考えてみませんか?」と提案し、相談者自身が問題に気づけるよう促します。 |
ロープレの練習後は、必ずフィードバックをもらいましょう。自分ではできているつもりでも、相手からは違って見えることは多々あります。良かった点と改善点を具体的に指摘してもらい、次の練習に活かすサイクルを回していくことが上達の鍵です。
働きながら合格するための学習スケジュール例
多忙な社会人が合格を勝ち取るには、戦略的なスケジュール管理が不可欠です。ここでは、標準的な学習期間とされる3~4ヶ月の学習スケジュール例をご紹介します。
【3ヶ月集中合格プラン(平日2時間、休日4時間学習の場合)】
- 最初の1ヶ月:インプット期(学科の基礎固め)
- 目標: 養成講座のテキストや参考書を通読し、学科試験の全体像を把握する。
- 学習内容: 特にキャリア理論、カウンセリング理論の重要人物と概念を覚えることに注力。この段階では、完璧に覚えられなくてもOK。まずは全体を一周することが目的。
- 次の1.5ヶ月:アウトプット期(過去問演習と実技練習)
- 目標: 学科の得点力を上げ、実技の基本スキルを身につける。
- 学習内容(学科): 過去問演習を開始。間違えた問題はテキストに戻って復習するサイクルを繰り返す。
- 学習内容(実技): 養成講座や勉強会でロープレ練習を本格化。論述の過去問にも着手し、時間内に書く練習を始める。
- 最後の0.5ヶ月:直前期(総仕上げ)
- 目標: 弱点を克服し、本番での時間配分に慣れる。
- 学習内容: 新しいことには手を出さず、これまで間違えた問題の復習に徹する。本番同様のタイムスケジュールで模擬試験を解く。法改正や最新統計情報の最終チェックを行う。

これはあくまで一例です。大切なのは、自分のライフスタイルに合わせて無理のない計画を立て、それを着実に実行することです。「今日は疲れたから」と休みが続くと、学習習慣が途切れてしまいます。「1日10分でもテキストを開く」ことを目標に、継続を最優先しましょう。
合格後に広がるキャリアパス
苦労して資格を取得した先には、どのような未来が待っているのでしょうか。キャリアコンサルタントの資格は、様々なフィールドで活かすことができます。ここでは、代表的なキャリアパスとその実情について見ていきましょう。
企業内キャリアコンサルタントとしての活躍
最も多いキャリアパスの一つが、企業の人事・人材開発部門などで活躍する「企業内キャリアコンサルタント」です。
- 役割: 従業員のキャリア相談(異動、昇進、育児・介護との両立など)、研修の企画・実施、社内公募制度の運営、メンタルヘルス不調者のサポートなど、役割は多岐にわたります。
- 魅力: 組織の内部から人材育成や組織開発に貢献できる点が大きなやりがいです。従業員の成長が会社の成長に直結することを実感できます。また、会社員としての安定した身分や福利厚生を得ながら、専門性を発揮できるメリットがあります。
- 注意点: 会社の経営方針と、従業員個人のキャリア希望との間で板挟みになることもあります。中立的な立場を保ちつつ、双方にとって最適な解決策を模索するバランス感覚が求められます。
独立・フリーランスで活動する場合の実情
自身の裁量で自由に働きたいという方は、独立・開業という道もあります。
- 活動内容: 個人向けのキャリア相談(転職、副業、独立支援など)、大学などでのキャリアデザイン授業の講師、企業向けの研修講師、自治体の就労支援事業の受託など、活動内容は様々です。
- 魅力: 自分の専門性や得意分野を活かして、自由にサービスを設計・提供できます。収入の上限はなく、成功すれば企業員時代を大きく上回る収入を得ることも可能です。
- 実情: 資格取得後すぐに独立して成功するのは、容易ではありません。キャリアコンサルティングのスキルだけでなく、集客や営業、経理といった経営スキルが必須となります。まずは副業から始めたり、他のキャリアコンサルタントと連携したりして、実績と人脈を築いていくのが現実的なステップと言えるでしょう。
キャリアコンサルタントの年収と将来性
年収は、働き方や経験によって大きく異なります。
資格取得後のスキルアップ・継続学習の重要性
国家資格キャリアコンサルタントは、5年ごとの更新制です。更新のためには、国が定めた知識・技能に関する講習を一定時間以上受講する必要があります。
これは、資格取得がゴールではなく、スタートであることを意味しています。労働市場や関連法規、新しいキャリア理論など、キャリアを取り巻く環境は常に変化しています。相談者に対して質の高い支援を提供し続けるためには、常に学び、自分自身をアップデートしていく姿勢が不可欠です。
スーパービジョン(指導者から指導・助言を受けること)を受けたり、勉強会に参加したりして、他のコンサルタントと交流することも、自身のスキルを客観的に見つめ直し、成長するための重要な機会となります。
実際の体験談から学ぶ「成功例」と「失敗例」
ここでは、架空の事例をもとに、合格者や不合格経験者がどのような道を辿ったのか、リアルな声としてご紹介します。ご自身の状況と重ね合わせながら読んでみてください。
短期間で合格した人の勉強法
Aさん(32歳・営業職)の場合:3ヶ月の短期集中で一発合格
「とにかく時間がない中で、いかに効率よく勉強するかが勝負でした。私が徹底したのは『やらないことを決める』ことです。学科試験は満点を目指さず、合格ラインの7割を確実に取る戦略に切り替えました。過去問を5年分解き、頻出分野の理論家と労働市場の白書データに的を絞って暗記。それ以外の細かい法律などは深追いしませんでした。
実技は、養成講座の仲間と週に2回、オンラインでロープレ練習をしました。毎回お互いの面談を録画し、『今の質問は少し誘導的だったかも』『あの沈黙は良かった』と具体的にフィードバックし合ったのが本当に役立ちましたね。インプットよりもアウトプットの時間を重視したのが、短期合格の秘訣だったと思います。」
一度不合格を経験した人が学んだこと
Bさん(28歳・事務職)の場合:初回の実技不合格から学んだこと
「一度目の試験では、学科は通ったものの実技で不合格に。自分では傾聴できているつもりでしたが、後から思えば、相談者の話を最後まで聞かずに『つまり、こういうことですよね?』と自分の解釈を押し付けてしまっていました。焦りから、早く何か良いアドバイスをしなければ、という気持ちが強かったんです。
不合格の後、指導経験豊富な先生にロープレを見てもらい、『あなたは支援したい気持ちが強いあまり、相談者から答えを引き出すのではなく、答えを与えてしまっている』と指摘されました。ハッとしましたね。
二度目の挑戦では、『答えは相談者の中にある』という基本に立ち返り、とにかく相手の言葉や表情から気持ちを汲み取ることに集中しました。結果、無事に合格。失敗したからこそ、キャリアコンサルタントとして最も大切な姿勢を学べたと思っています。」
実務経験と資格学習の相乗効果
Cさん(35歳・人事)の場合:実務経験を理論で体系化
「人事で10年以上、社員の面談などを行ってきましたが、どこか自己流でやっていることに限界を感じ、資格取得を目指しました。学習を始めて驚いたのは、これまで自分が経験則で『こうした方が良い』と思っていたことの多くが、キャリア理論として体系化されていたことです。例えば、部下のモチベーションが下がっている時に何気なく行っていた声かけが、『承認』や『ストローク』といった理論で説明できると知り、自分の実践に自信が持てるようになりました。
逆に、実務で経験した具体的な事例が、論述試験の解答やロープレでの応答に深みを与えてくれたとも感じます。理論と実践、どちらが欠けてもダメ。両輪で学ぶことで、支援の質が格段に上がることを実感しました。」
キャリアコンサルタントを目指すべき人の特徴
ここまで読んで、「自分にもできるだろうか?」と感じている方もいるかもしれません。ここでは、どのような人がキャリアコンサルタントに向いているのか、その特徴を見ていきましょう。
向いている人の傾向(価値観・スキル・志向性)
必ずしも、これら全てに当てはまる必要はありません。しかし、根底に「人への関心」と「貢献意欲」があることが、この仕事を続ける上での大きな原動力になります。
他のキャリア支援資格との比較(GCDF・CDAなど)
キャリアコンサルタント資格を検討する際、GCDFやCDAといった言葉を目にすることがあるかもしれません。これらは元々、アメリカで生まれたキャリアカウンセラーの民間資格です。
- CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー): JCDA(日本キャリア開発協会)が認定。経験代謝を重視し、相談者の自己概念の成長を促すアプローチが特徴。
- GCDF-Japan: キャリアカウンセリング協会が認定。国際的に通用するキャリアカウンセラーの資格。包括的・継続的なキャリア開発支援を重視。
かつては、これらの民間資格が主流でした。しかし、2016年にキャリアコンサルタントが国家資格化されたことに伴い、現在では**「厚生労働大臣認定の養成講座を修了すれば、国家資格の受験資格が得られる」**という位置づけになっています。
多くの養成講座は、CDAやGCDFのカリキュラムをベースにしているため、講座を修了すると、国家資格の受験資格と同時に、これらの民間資格の取得(あるいは受験資格)も得られる場合があります。これから目指すのであれば、まずは国家資格である「キャリアコンサルタント」の取得を第一目標に据えるのが一般的です。
キャリアコンサルタント資格を取るメリット・デメリット
最後に、資格取得のメリットとデメリットを客観的に整理しておきましょう。
- キャリア支援の専門家として社会的信頼を得られる: 国家資格であるため、名刺に記載したり、プロフィールで謳ったりすることで、専門性のアピールにつながります。
- 自身のキャリアを見つめ直す機会になる: 学習過程を通じて、自分自身の価値観や強み、今後のキャリアプランについて深く考えることになります。
- 体系的な知識とスキルが身につく: 自己流で行っていた相談業務に、理論的な裏付けと自信を持つことができます。
- 多様なキャリアパスが開ける: 企業内での活躍、独立、副業など、働き方の選択肢が広がります。
- 人脈が広がる: 養成講座や勉強会を通じて、同じ志を持つ仲間と出会えることは大きな財産です。
- 資格取得に時間と費用がかかる: 養成講座の受講料は30~40万円程度が相場であり、学習時間も150時間以上必要です。
- 資格だけでは稼げない: 資格はあくまでスタートライン。特に独立を目指す場合、集客や営業のスキルがなければ収入に結びつきません。
- 常に学び続ける必要がある: 5年ごとの資格更新が必要であり、継続的な学習が求められます。

メリット・デメリットを十分に理解した上で、自分にとってこの資格が本当に必要かを見極めることが大切ですね。
まとめ|難易度は確かに上がるが、戦略次第で突破できる
キャリアコンサルタント試験は、合格率の数字だけを見ると、他の難関国家資格に比べて易しく見えるかもしれません。しかし、その広大な試験範囲や、知識だけでは通用しない実技試験の存在は、多くの受験生を悩ませる要因となっています。「難易度が上がっている」という声は、こうした試験の多面的な難しさを反映していると言えるでしょう。
難易度に惑わされず、合格に必要な要素を押さえる
大切なのは、漠然とした難易度の情報に惑わされるのではなく、合格するために何が必要なのかを正しく理解することです。
- 学科試験: 過去問を中心に、頻出分野から確実に押さえる。
- 論述試験: 解答の「型」を身につけ、時間内に書き上げる練習を繰り返す。
- 実技試験: 傾聴と共感の姿勢を徹底し、実践的な練習を数多くこなす。
これらのポイントを押さえ、自分に合った学習計画を立てて着実に実行すれば、働きながらでも十分に合格を狙える資格です。
資格取得後のキャリアをイメージして行動する重要性
つらい勉強を乗り越えるための最大のモチベーションは、「資格を取って、自分はこうなりたい」という明確な未来像を描くことです。
- 社内のキャリア相談室で、悩める同僚の力になりたい。
- 独立して、若者の就職支援に特化したサービスを展開したい。
- 副業として、週末だけキャリアカウンセリングを行いたい。
あなたがこの資格を通じて実現したいことは何ですか?合格後のキャリアを具体的にイメージすることが、学習の原動力となり、あなたを合格へと導いてくれるはずです。
次のステップへ踏み出すための行動指針
この記事を読んで、キャリアコンサルタントへの興味がさらに深まった方、あるいは「自分にも挑戦できるかもしれない」と感じた方へ。次のステップとして、まずは具体的な情報収集から始めてみませんか?
独学で合格を目指す道もありますが、受験資格を得るための養成講座受講が一般的であり、合格への近道でもあります。しかし、養成講座と一言で言っても、通学型かオンライン型か、どの試験機関に対応しているか、サポート体制はどうかなど、その特徴は様々です。
自分に合った学習スタイルを見つけるためにも、まずは複数のスクールの資料を無料で取り寄せて比較検討することをお勧めします。
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また、多くのスクールが無料の説明会や体験講座を実施しています。講座の雰囲気や講師との相性を確かめる絶好の機会です。一歩踏み出すことで、あなたのキャリアは確実に動き始めます。
あなたの挑戦を心から応援しています。